NO4
違和感と直感から、ジローを詰問するような口調でさっきの質問をしてしまった。
いいねぇーアイスコーヒがよい感じに冷たく解けてきてグラスのなかでマーブル模様。
カラカラと氷の音が耳によく聞こえてくる。天神のど真ん中っーのに。
「ねぇ、ジロー、何かワタシに隠しとろぉ?言ってん、なんね?」
カラカラとジローも音を立てた。目も合わさずにジローは言った。
「ミヤコ。部屋に戻ってからゆっくり話すよ」
そう言ってテーブルの上に置いてあるバイクの鍵を握りゆっくりと椅子から立った。
その鍵についてあるキーホルダーはワタシからのクリスマスプレゼントだったな、あぁ去年?うんん、その前の年やったかいな。
そうして、私達はいつものようにバイクに跨りジローの部屋に戻って来たんだった。いつもと違うのはこのジローの沈黙と違和感と不吉な予感。
そしてその予感は見事に的中した。
こうだった。
ジローは将来を見据えて就職した店のバイトの女の子(21歳)と出来心から浮気してしまったということ。その兆候ってのは実は既に年末、クリスマスが終わった頃からあったらしく、でも関係を持ったのはこの前の電話が繋がらなかった日だけというが、信じたことか?うそ臭い。
「ごめん、ミヤコ。ホントゴメン。謝って許してくれるとは思ってないけど…」だって。
空が青すぎて気分悪い、気分にそぐなわすぎて泣けてくる。ジローは男泣き。ワタシは女泣き。
浮気をした女との経緯など別に聞きたくないが、ジローが泣きながら弁解しながらしゃべくるからさぁ。なんだか二人して涙と鼻水で顔中を変な液体でヌラヌラしてるし。一通り泣きはらしたら、ワタシは
「ちょっと考えさせて。でももぅ戻れんとは思うけど」
といって玄関に置いてあるワタシのバイクの鍵を握り締めて部屋を出たんだった。
少しづつ空が赤く暮れ行く時間になってら。はは。
ジローが
「寂しかった」って言ってた言葉をバイクの風を身に晒しながら思い出していた。
寂しかったねぇ。
寂しかったねぇ。そうかい。寂しかったんねぇ。そりゃそうだ。だってワタシ他に好きな人がおったんやもん。当然やろ。しかもそれってジローにも話したことあると思うんやけど、木村くんやんね。そぅワタシが、6年間浮気しながらも遠距離してたっていうとんでもない恋をしてたあの人やんね。
実はさぁ、ジローと付き合うようになってからもキムラくんとは連絡取り合ってた。取り合ってたというか、キムラくんから突然連絡が入ったりする状態だった。まだ友人や家族がキムラくんと繋がってたから、自然とさぁ。でもワタシはワタシでジローと結婚まで考えてた気持ちは嘘じゃなかったから心苦し、でもそれじゃージローにも悪い感じするしさぁ、言ったんよ、キムラくんには。今、彼氏おるって、結婚するかもしれんって。付き合いだして一年目だったかなぁ。だからもうワタシはキムラくんは元カレで今は友達つぅ関係だったと見做してた。それがでもさぁ、去年の秋口にひょんなことから夜にキムラくんと二人で逢うことになったんやけど、それがいかんかった。電話で声を聞いてしゃべる分には一向に気持ちが揺れんかったワタシやけど、逢うと駄目だった。キムラくんはストライクでワタシの好みだった。顔も身体も声も、全部全部ワタシの好きなキムラくんだった。
その日私達は車の中でキスを貪り、そしてそのままラブホにたどり着いたんだった。2004年、秋、冬近い寒い真っ暗な夜だった。
いいねぇーアイスコーヒがよい感じに冷たく解けてきてグラスのなかでマーブル模様。
カラカラと氷の音が耳によく聞こえてくる。天神のど真ん中っーのに。
「ねぇ、ジロー、何かワタシに隠しとろぉ?言ってん、なんね?」
カラカラとジローも音を立てた。目も合わさずにジローは言った。
「ミヤコ。部屋に戻ってからゆっくり話すよ」
そう言ってテーブルの上に置いてあるバイクの鍵を握りゆっくりと椅子から立った。
その鍵についてあるキーホルダーはワタシからのクリスマスプレゼントだったな、あぁ去年?うんん、その前の年やったかいな。
そうして、私達はいつものようにバイクに跨りジローの部屋に戻って来たんだった。いつもと違うのはこのジローの沈黙と違和感と不吉な予感。
そしてその予感は見事に的中した。
こうだった。
ジローは将来を見据えて就職した店のバイトの女の子(21歳)と出来心から浮気してしまったということ。その兆候ってのは実は既に年末、クリスマスが終わった頃からあったらしく、でも関係を持ったのはこの前の電話が繋がらなかった日だけというが、信じたことか?うそ臭い。
「ごめん、ミヤコ。ホントゴメン。謝って許してくれるとは思ってないけど…」だって。
空が青すぎて気分悪い、気分にそぐなわすぎて泣けてくる。ジローは男泣き。ワタシは女泣き。
浮気をした女との経緯など別に聞きたくないが、ジローが泣きながら弁解しながらしゃべくるからさぁ。なんだか二人して涙と鼻水で顔中を変な液体でヌラヌラしてるし。一通り泣きはらしたら、ワタシは
「ちょっと考えさせて。でももぅ戻れんとは思うけど」
といって玄関に置いてあるワタシのバイクの鍵を握り締めて部屋を出たんだった。
少しづつ空が赤く暮れ行く時間になってら。はは。
ジローが
「寂しかった」って言ってた言葉をバイクの風を身に晒しながら思い出していた。
寂しかったねぇ。
寂しかったねぇ。そうかい。寂しかったんねぇ。そりゃそうだ。だってワタシ他に好きな人がおったんやもん。当然やろ。しかもそれってジローにも話したことあると思うんやけど、木村くんやんね。そぅワタシが、6年間浮気しながらも遠距離してたっていうとんでもない恋をしてたあの人やんね。
実はさぁ、ジローと付き合うようになってからもキムラくんとは連絡取り合ってた。取り合ってたというか、キムラくんから突然連絡が入ったりする状態だった。まだ友人や家族がキムラくんと繋がってたから、自然とさぁ。でもワタシはワタシでジローと結婚まで考えてた気持ちは嘘じゃなかったから心苦し、でもそれじゃージローにも悪い感じするしさぁ、言ったんよ、キムラくんには。今、彼氏おるって、結婚するかもしれんって。付き合いだして一年目だったかなぁ。だからもうワタシはキムラくんは元カレで今は友達つぅ関係だったと見做してた。それがでもさぁ、去年の秋口にひょんなことから夜にキムラくんと二人で逢うことになったんやけど、それがいかんかった。電話で声を聞いてしゃべる分には一向に気持ちが揺れんかったワタシやけど、逢うと駄目だった。キムラくんはストライクでワタシの好みだった。顔も身体も声も、全部全部ワタシの好きなキムラくんだった。
その日私達は車の中でキスを貪り、そしてそのままラブホにたどり着いたんだった。2004年、秋、冬近い寒い真っ暗な夜だった。
by itsme.itsumi
| 2005-08-11 22:41