共生虫
不要な接触を断ったから気づくことができたのだとウエハラは思った。他のほとんどの人間は不必要な人間関係の中で本当に自分が必要としているものは何なのかということがわからなくなっている。引きこもりが正しいのかどうかはわからないが。その他にはあまり方法がないのだ…真実はいつも細い谷を静かに流れていて、その流れが絶えることはないが、その流れそのものを見つけることが非常に難しい。はっきりとした目的を持った人間だけが偶然の助けを借りてその流れに出会う。一度その流れのようなものを捉えることができれば、あとは進むべき方向を見失うことはない…誰も矢印を見ていないが無意識のうちにそのうちの一つに従って進んでいる。矢印はいつの間にか無意識の深いところに植えられ埋め込まれる…それは拒否できないし、一度埋め込まれるともう取り外すことができない。解除するためにはプログラムが必要だが、そのやり方は誰も教えてくれない。そうやって人々は矢印に沿って歩き出し、他の人間と交叉する。矢印から外れるのは恐怖だ。そういう人には罰が用意されている。矢印が示す方向から外れた人間としてさらし者になるのだ。
by itsme.itsumi
| 2005-05-24 23:23