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阿漕に30からも女というのなら。

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エゴスプリットし続ける自分も愛し、自我分裂快楽主義者としての自分を確立しよう。揺るぎ無い主義として。斜に構え心に浮かぶウタカタをしばし沈思黙考。音楽で清め文学に溺れる。どれもこれもホントの私。

クレヨン王国

「ここにおるヤツで、今日の宿題終わった人ぉー!」

ガキが自転車で信号待ち。で、そんな会話。

「宿題なんてねぇーよっ!」

小さな声でガキ共に突っ込みをいれるワタシ、30歳10ヶ月。あぁーあと2ヶ月もすりゃー自然、31ですよっホホホ。職場の近くに小学校があるんだもんね。

昨夜から朝方にかけて雨。雨音を感じながら眠りの中を彷徨っていると、ふいに小さな頃のあの頃の雨の日を思い出した。

本の名前はウル覚え。確かクレヨン王国みたいなタイトルだったよーなウスラな記憶。

なんとも子供心に魅惑的な内容だった。

本の中に書かれとる呪文かなんだかな文、これが結構な量だったよーな気がするのね、それをノートに書く。
クレヨン様クレヨン様。なんたらかんたら、ワタシもクレヨン王国につれってって!○○在住、何某。とか。だったかなぁ。もっとメルヘンだったよーな気もする。
おひぇらてけういにゃではらけてうぬうぇあぃー(←意味不明)赤青黄色緑青黒白ピンクETC…我が部屋にお迎えに!扉を開けるとそこは異次元!いんぽっしぼー!とかだったかもしれん。

まぁまぁ何れにしろソレがノートの結構な量だったことは確か。でね、それをね、次、どーするかというと。ノートを引きちぎって紙飛行機にするのね。そしてそれを自分の部屋の窓からたかっーく投げましょう!って。

100通投げた頃、ある日突然、クレヨン王国へ通じる扉が自分の部屋に現れる…そこはどこまでもメルヘンな国で、当然、クレヨンの王様とか住人とかパステルだったりサイケな人が存在するんだな。もっと楽しげなことが起こるかもとか書いてあったのかもしれんが思い出せない。

地域の古びた図書館だか、学校の図書館でその本を見つけてワタシは夢中になって紙飛行機を窓から投げた。雨が降っていてそれは高く飛ばず、一階だった自分の部屋の窓の下に雨で重くなって落ちた濡れ紙飛行機の残骸が溜まっていく。100通を投げ終わった頃、一度自分の部屋をでて玄関から外に行き、部屋の前の空き地から紙飛行機と自分の部屋を眺める。雨で膝丈まで伸びた雑草で太腿とかが気持ち悪かった。でも、自分の部屋がクレヨン王国に通じる異次元への変化をしっかりと自分の目で確かめたくて、傘を持ったまま空き地に佇む。
が、一向に変化の兆しがみらん。
あーそーかぁ、部屋の壁に扉は出来るんだ。
ワタシの部屋の壁紙は当時にしちゃー物凄く珍しかったと思う。なんせ壁一面が、写真で出来たというか、一面が森だった。画ではなくて本物の森の写真。その森は木が鬱蒼と茂っていて丁度真ん中あたりにモーゼの十戒のよーに、一本、ずっと向こうに続く道があって。
その森に忽然と扉ができるんだ!
と思ってさ、部屋に駆け込む訳ですよ。

当たり前だがクレヨン王国に通じる扉なんてなかった。でもそれはきっと雨で飛行機が高く飛ばずにクレヨンの精に思いが通じてないからだとホンキに思った。
何度か晴れの日とか雨の日だとか試した。飛行機は毎度高く飛ぶ事は無く、窓の外に積み重なっていくばかりだった。ゴミのよーに溜まっていく残骸。親に怒られた記憶は不思議とない。

あれから20年近くたった今でさえも、あの日の事を鮮明に思い出せた。

ガキ共の「宿題やった人ぉ~」に触発されて。大人になって宿題はないが、当然ツライことが多い。夢見ることも忘れかける。ホンキでこの年で窓から紙飛行機なげてクレヨン王国目指したらそれこそ病院送りだな。なんてね。

最近、少年犯罪が増えてるねぇー。毎日毎日、少年達が親を殺したり、万引きしたり、彼女を殺したりなんたりかんたり、もぅ少年犯罪なんて珍しくなくなってしまってワタシ達も慣れてしまってる。麻痺ですよぉー、コレは。

そんな彼らも昔はクレヨン王国に紙飛行機とか投げたのかな?
んな訳ないだろーなぁ。

だってメルヘンだもん!
だってパステルだもん!
だってサイケだもん!

作者は実はドラッギーな人だったりしてね。
by itsme.itsumi | 2006-05-08 22:57 | leftai

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