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阿漕に30からも女というのなら。

itsmeitsum.exblog.jp

エゴスプリットし続ける自分も愛し、自我分裂快楽主義者としての自分を確立しよう。揺るぎ無い主義として。斜に構え心に浮かぶウタカタをしばし沈思黙考。音楽で清め文学に溺れる。どれもこれもホントの私。

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ーおれはその音楽の大饗宴がほしかった……兄弟よ、眠りの国境で、しま模様のある遮断機がおれの通過のために上げられ、おれのパスポートにスタンプが押される前にー

 
NoFuture-2


 デイム1号の座る向こう側のオクノには、真っ暗な闇と黒々とした森が浮かんでいる。普段、そこには大規模なゴミの焼却施設があって、晴れても雨が降っても、いつだって濁った白い煙が、しゅたんと伸びた白い煙突、ぐるりが赤、から吐き出されているのである。この焼却炉を隔てて、こちら街とあちら街に分かれる分岐点となる。白い煙は当然無情。自分はこの煙をみるといつだって途端に気が滅入る。常日頃のモットーとしたいアップテンポdeイコー的スタンスが心中からマッハで消滅。それに代わり、憂鬱、陰鬱、陰険、陰気、ヌラヌラとする不快感など、何一つとして陽気な気持ちにさせてくれる要素がないものに変わってしまい、心中には陰気を象徴するようなスタンドが現れるのだった。 
スタンドの名前は……ボルノイ。ナットサット言葉で「吐き気」という意味だ。スタンド……。主体はワタシなのにな。そしてスタンドの能力といえば雨の隙間を潜り抜けることが出来る……あまり日常では役に立たない。そんなものなのだ。

 その全てのネガティブさを一目で強調するシンボリックな焼却炉、や象徴的煙突、負のエネルギーの根本的町から戻っている今、デイムな自分のドルーグはまだまだ継続的に奇声を上げ続け
「白がいい、白が可愛いの!もっと白を欲しくない?」
「やっぱり白がいいよねぇー、白よ白よ絶対白度。白度絶対100%だわっ」など、全く自分には何についてだか解らない話しに夢中になっては時々、同意を求めて自分の膝や太ももに触れまわるんである。

 そんなことは、今、全く自分も同様にデイム二人の話を聞いているフリで相槌打ちやってるんだけど、そうなんだけれども、違う違う、自分は奇声も夢中も触れもせず、でも自分はクウキヨメで仕方なく相槌とスメックくらいはやっているが、厳密に言うと傾いているっていうか、だから色で例えると、白と黒とグレーの三色を見分けることが出来るのだ。ちなみに「傾き」はグレーゾーンだ。そしてジ・エンド宴のサインが自分には見えた瞬間もあった。これが「白」だ、カラー的には。そして心中に白く光り輝いていたもの、「白」の表すもの、それが歌舞伎だった。黒は迎合……。なのに自分と同様のことを相手も思っていたってぇ~!?でも見た感じはいかにもアナタといて楽しくって仕方ないの!としかみえないワタシのこの感じ。コレ、なんですか?人の心は?とか答えのでない問いを再び歌舞伎にかまし、自分でも自問自答してみてもやはり答えはズバッとでる訳はないんであって、
「まことにげに恐ろしや心のうちよ」と歌舞伎がぐわぁーっとグラズを見開いて言った。目力が強く、ワタシの疑問を跳ね返す強い眼光、だが対照的にロットから漏れた「げに恐ろしや人の心」という台詞は弱弱でため息も付随。表情と言葉が合致していないという有様。

 コレさっきふっと考えたことやんけぇとか思ってしまう自分。相変わらず、止まることのないハイなテンションとそれが変なテンションに繋がっていっているのである。だからだよっ同じ思考がループしまくる、スパイラルに陥る。意味も答えも見出せるわけもなく。無駄な思考。酒のせいか?所詮、こんなものなんだろーか、リューディが考えることのできるレベルの問題ってのはさ。

 それから心中では歌舞伎、スタンド、メガネ男子が次々に交代して現れる、入れ替わって、様々なセットが瞬時に移動していった。
ついにキャラ戦ではメガネ男子がやはりの圧勝。陰気スタンドはどこかにとんずら。歌舞伎は最終的にはメガネ男子に惨敗する形となり、武士道の教えを忠実に全うする意を決し、切腹する流れとなり白装束をいつの間にか身に纏う。そしてどこからか用意してきたのか筆と鈍色の墨に自分の指を切ってクロビーをまぜてマーブル模様のオリジナルな墨汁を作った。それから辞世の句を作っているのだった。

「れっといっとぴー、どんけあー、かもんえでぃばーでぃ」

 歌舞伎の書いた辞世の句をメガネ男子が両のルークでグルーディの高さまで持ち上げて誰もいない観衆に向かってみせている。その句を更にメガネ男子は巻き舌で読み上げる、節などつけつつしながら。

 そのことがリアルな自分に意味することは、その場に漂うばかりの空気、ノリ、に感知し迎合しまくっているつぅーこと。弱気な終焉への催促も失敗、しばし逡巡的クウキヨメが、程なくこの楽しげなドリンコをまだ楽しもうって雰囲気のクウキヨメに徐々に傾いていき、デボーチカらの上がり続けるテンションの打ち止めは今や絶対にないだろーと決定的な判断を下したし結果、即座に感化・感染。のフリをせねばならんくなってもうている。どこまでもフリもフリ。フリをしまくって。そーすることによって、実はだんだんとではあるが、自分も心底なんだか楽しい感じやんと思えるあたりは、もぅこれは完全に感染である。いつしかフリなのかホントなのかは見境すら曖昧。実は心からそぅ切望しきって楽しいのかもと、ふと思考してみて錯綜。というループループ。

 割腹した歌舞伎の死体の傍に、先ほどと同じサイズの紙が舞い落ちてきた。それは眼鏡男子が思いの外達筆な字で「成敗」と書いたものだった。もはやワタシはこの宴に連行されていくのだ!自らの意思で、という風にしか現実には見えないほどにスメックしながら。
 そのころになるとメガネ男子は超ほくそ笑んだスメックのまま、トレンス系の音楽に合わせてカーマンから出したアレなんかで十分にキメこんでいた。メガネ男子はPCだかなんだかでアクセスし、お気に入りのマニアに絶大な信頼を寄せられているあのサイトを見つけ出し画面を見ながら、完全にトリップしていくのだった……

スイッチ・オン!

「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー…」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」

ぶぅーぅうーん……

煩わしい!羽虫だっ!

 鼠色一色のビルディングを羽虫が潜り抜けながら、そのビルのある一室、リンビングの外灯、自分は蝿になって蛍光灯の黄色に向って飛び進み、そしてその黄色の電灯で身を焦がすとかなり熱いからなぁと思い、水色の単一の色で書かれた窓から出て行く。少しばかり焦げた虫となった自分の身体が臭うような気がする……。窓の外には単色のアスファルト……淡色の黒い車……さっきの淡色のビルディング…蛍光灯の黄色に向って……やはり蛍光灯を目指して戻ってきた。

「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」


Alberthalfman
as doc someoneelse as one 
psyco

「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」

 稚拙なアニメにガキが書いた又はある特定のキャラクターからのパクリの、それは女の子にみえる、そんな目を嵌め込むから……
男の目の不気味さが加速。増幅。
 なんだかイヤな気分になる。カタカタと身体を二つに折って単調な屈折を男は、ストレッチャーのような椅子に飛び乗って左右の両手と両足を一緒に動かす。青いスニーカーに黒の靴紐というのが気になって仕方ない。男の対面には白衣の、男の顔もやはりさっきと同じ構造で、アニメか稚拙な目をはめ込み気味が悪い。
 ストレッチャーの男の目蓋と、白衣が持ったライターを点火する音が。「かちゃ」男の目蓋の閉じる音、「かちゃ」白衣のライターの点火の音……「かちゃ」。同音で。男の目蓋が「かちゃ」と閉じ、開いて、目が赤く点滅、アシンメトリーすぎる目の。点滅に。赤…緑…水色…左右が異色が男の目に点滅し続けていく。

 白衣の叩く彩子な木魚の音が、とつっとつっとつっ……一つ叩くごとに、男の記憶が甦る。遡っていく……とつっとつっとつっ……

「old time……」男の顔には目から流れ出す灰色の涙が何重にも連なって流れている。
「no‘t be afraid!……」白衣の男の眉毛が大きく左右ともが釣り上がった。眉根に皺が寄る。

「ラストメモリー」とつっとつっとつっ……
「ラストメモリー」とつっとつっとつっ……
「ラストメモリー」とつっとつっとつっ……
「ラストメモリー」とつっとつっとつっ……

 万華鏡の仕組みなのさ、要は簡単にいうと。もっと複雑なだけ。全てがシンメトリーに。繋がって流れていく。連なって重なって、溶けて別のものになるが、見方によっては何れも実は大差ない。形が曖昧すぎるのだから。

 全身を原色でカラフルな文字だけで仕上げた河童が、貝殻の形をした皿を両手に持って、ペラペラと踊っていても、その仕上げる材料の文字が、有難い言葉ばかりであって、そのことにも注目してみるが良い。ここで目を離してはいけない。もっというと、目を細めたり、両の目を寄らせて分割してみたりするとなお良い。視界を狭めてみると、全能感が強くキマってくるから言葉の有難さが増す。増して、脳に素晴らしい快感がやってくる。

 スクロール!集中、融合して、分裂。上に向って……巻き上げられて……またもや分裂していく。分裂後は左右に飛び散って、原型をなくし、全くに対極な色となって、存在。
     
 低音が共に胸から脳へと到達した感じが…鎖骨あたりを心地よく圧迫。
分裂されたアシンメトリーなものが…増幅。増幅。増幅。笑いをかみ殺して……音に集中してすることも決して忘れてはいけない。単調な音とリズムの繰り返しで、意識が朦朧として、しかし神経の、血管の端々が妙に覚醒されていって。広がってゆく毛細血管の隅々までふつふつと沸き起こる冷たい感覚が。無限に。
研ぎ澄まされた色覚!聴覚!あらゆる細胞が、体中にパンパンに膨れ上がっていき…膨張して破裂しそうな、ギリで!!!
 ある一つのピースが融合や分裂を繰り返して、ある瞬間には人の顔になる。黄色のモナリザをなした。黄色の緑に映えるこのタイルの一つに自分が重なっていく!
 やがていつの間にか鳥に……やがて男に……色んなものに自分は変化を遂げる。

 いかにもその狡猾そうで凶悪な目をした、梟に、男に、あっちいけ!ししっ!と右手で追い払う手付きをしても猛禽類、男は一向に自分にお構いもなく、中央に向って男、梟と繰り返し変身しながら。最後は青い足をした、鳥になって……それから青い、火星にあるような、ずっと昔、異星人が書いたというマーベラス。そうだ!火星にあったんだ!昔っからソコに!

 なんだかわからないものに足が生えて、ぬらぬらとなって上に巻き上げられていく。

彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩子。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。彩気。

ぶぅーぅうーん……

煩わしい!羽虫だっ!

 鼠色一色のビルディングを羽虫が潜り抜けながら、そのビルのある一室、リンビングの外灯、自分は蝿になって蛍光灯の黄色に向って飛び進み、そしてその黄色の電灯で身を焦がすとかなり熱いからなぁと思い、水色の単一の色で書かれた窓から出て行く。少しばかり焦げた虫となった自分の身体が臭うような気がする……。窓の外には単色のアスファルト……淡色の黒い車……さっきの淡色のビルディング…蛍光灯の黄色に向って……やはり蛍光灯を目指して戻ってきた。

「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」

 湖の辺で白衣の男は木魚を叩きながら、ストレッチャーの男は相変わらずガクガクと身体を二つに単調に屈折している。屍骸となって髑髏の白衣の男とアニメの稚拙で単一な色彩の目の男の。木魚のとつっとつっとつっという音……

 反転して湖の水に風景が映っているのに!水面に映っているっていうのに!男と白衣が!存在するはずの白衣の髑髏とストレッチャーの男が水面に映えてない!

木魚の音がエンドレスに……

「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
「アイムノットクレイジー……」
木魚か…幻聴なのだろうか。


 メガネ男子の連れのイケた感じのするデボーチカは
「キマってんじゃーねーよ、演じてんじゃねーよっ」と突っ込みをいれ、自分もまたメガネ男子の持っていたベスチを取り上げ、それに火をつけ大きく息を吸い込んで煙を肺で貯め、そして喉にこびりつくよーな感覚を残した後、煙を口と鼻からゆっくりと吐き出して遠い目をするのだった。そして理解不能な形のステップを踏むなどして、ちゃらちゃらとくるくる回ったりしながら二人で奇妙な踊りを闇の中で舞うのだった。
by itsme.itsumi | 2007-03-29 23:47 | 時計仕掛け夢破れてオレンジ残骸

by itsme.itsumi