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阿漕に30からも女というのなら。

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エゴスプリットし続ける自分も愛し、自我分裂快楽主義者としての自分を確立しよう。揺るぎ無い主義として。斜に構え心に浮かぶウタカタをしばし沈思黙考。音楽で清め文学に溺れる。どれもこれもホントの私。

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真夏に咲く向日葵のような女性…

今もって鮮明に思い出す、不思議なイントネーションで喋るたどたどしい日本語と、オレにとって初めての大人の女としての認識させるあの雰囲気に圧倒されて、クーラーのきき過ぎる店でさせオレは軽い眩暈を感じクラっとしたんだった。17の夏。

真っ黒な黒髪は胸まで伸びたストレート。日本人からは決して醸し出すことのできない開放感というか、まぁオレらの住む日本だって「アジア」なんだけれども、島国根性ってやつが全くナイ、ナッシングなあの雰囲気だよ、オオラカって言えばいいんだかな。

名前をフュエだかフェイだか、そんな名前だった。

まだまだ40代前半を男として精力的に日々生きている親父に呼び出され、茹だるような暑さの中チャリをこいでオレは待ち合わせの場所へとやってきたのだった。
家ではなく外に、それも週末だぜっ、また始まったんだろーなと思いながら、親父の道楽への付き合いの面倒臭さと母親への秘密。そんなことは隠れてやってくれればいいんだよっ、ばーか、親父よぉ、全く他でやってくれよ、しかもうまく。

遊び盛りのオレの貴重な時間をつぶすなよという思いもあったが、家で今まで幾度となく繰り返されてきた親父の浮気を巡っての言い争いを思えば仕方あるまい、今は親父にちょいと口実ってやつを与えてやって、あとで金をいくらかもらうほうがよっぽど楽に決まってる。

チャリを店の前に置いて鍵をかけてドアーを開けると店の奥に親父とフェイだかフュエだかいう女はいた。二人はテーブルを挟んで座っていて、親父は勿論ビール、女はまだ炭酸があわ立っている透明な飲み物に上に人工着色された赤いチェリー。
ドアーからはいってきたオレに親父が気が付き「こっち」と手で招き寄せたんだ。オレは親父の横のイスに座ってコーラをウエイターに注文したんだった。

「こちらフェイさん」親父がそれからオレを彼女に紹介し、彼女は向日葵のよーな笑顔で
「フェイです。よろしくお願いします」と変なイントネーションで挨拶をしてきた。

それからフェイの国のことや彼女の通う学校のことなんかはなしたんだったかな。そして三人ともジュースとかを飲み干して店を出ようかっていうときに親父が唐突に
「どうだ、お前の家庭教師に。これからはもっとインターナショナルじゃなきゃやっていけないってもんだぜっ」

おいおい、家に愛人いれる口実にオレを使うなよって思ったし、母親への共通の秘密も面倒だし当然、いいよっオレは家庭教師なんかいらない、って断った。親父は
「そうか、そうか」と小さな声でつぶやき、これで遊んでこいよって一万円札をオレに渡した。

まだ、一万円札が旧札の福沢諭吉だった頃の話。五千円は新渡戸で千円は夏目だった頃の話さ。
凛とした雰囲気。でも彼女まだ20とかそこいらで、オレとの方が親父よりずっと年が近かったんだぜ?信じられるか?
向日葵のように夏を象徴するよーな笑い方をする女だった。

資本主義と習ったばかりの大東亜共栄圏…そんな単語がグルグルと頭を巡り、大人の女の色気にクラクラとしちょいとした時間が猛烈に頭を疲れさせたんだった。
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by itsme.itsumi | 2007-04-10 22:52 | 5Meo